よし、ちゃんとしよ。

代々受け継がれた着物屋でもなく、伝統も格式もないキモノ屋が書いてます。

いつもより移動するだけで、非日常を楽しめる。

 

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先日、となりの県まで車を走らせて行ってきた。

 

確か結婚したてだったか、一眼レフのカメラを買ったときだったか。

 

5年以上前にここに来たことがある。

 

人吉城跡。

 

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そのときも悩みが多いときに訪ねたな〜と思い出す。

 

進んでるようで進んでないのかな。

 

後退してるのか、留まっているのか。

 

ただ、悩みがあるほうが充実する。

 

安定しない未来を楽しむしかない。

 

これからの時代に柔軟に対応したい。

 

でも、時代に取り残されながら生きる術も気になる。

 

根っこは変わらない。

 

必要とする人の役に立つ。

 

今回の日帰り旅はあっという間だった。

 

家を出たのが9:30、目的地へ11:00。

 

ウォーキングも兼ねた散策を約1時間。

 

近くの茶房でお茶して、

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昼飯を食べに行こうとしたらトラブル発生。

即、鹿児島へ引き返す。

 

到着が14:30ごろ。

 

そんな旅でも充分にリセットできた。

 

遠出オススメです。

 

昔からあるものを、自分のものにしていく。

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裄があってないと、誰かの古いもののお下がり、という風に見られる。

 

自分用に仕立てたものではないから、裄が合わない。

 

また袖丈もバランスが悪い。それも自分用に仕立ててないのだから仕方ない。

 

理想は、自分の丈に直すこと。

 

直して、自分に合わせて、使う。

 

自分の親、祖母、会ったこともない誰かのもの

 

そのまま着る良さもあれば、ひとつ自分の意思で手を加えたものにする良さ。

 

茶碗でも、誰かが使っていたものに少しの欠けがあれば、

 

漆で継いで、それを使う。

 

次は誰の手に渡るか、わからないけど

 

確実に自分の景色が加わって、それは次へ行く。

こころがおどるものを仕込んでいれば、不意打ちで喜びに触れられていい。

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いつのまにかもう長袖があたりまえになってる。

 

自分と向き合ってるあいだに冬へ向けてのもう秋だ。

 

淡い水色のシャツはとうに仕舞い込んだらしい。

 

肌触りのここちよい綿の長袖カットソーがこれからの出番。

 

白と紺の2色。

 

心が踊る衣服を買っていると、

 

着ていない時間、も重要になる。

 

冬服は、春夏がくるとケースの中に眠らせる。

 

あれだけ心弾んで買って着ていたのに、春夏には冬服のことを忘れてる。

 

そして、冬が近づくと

 

ケースから目を覚まさせる。

 

忘れてたもんだから、また心が踊る。

そういえばこんないい服を着てたな〜って。

 

そして今年の冬もまた心が弾む服をまとって外へ出かけるんだ。

 

もちろん、春夏に楽しんだ衣服はまたケースに仕込んだ。

 

来年の春夏も踊らせてくれるのだ。

 

いいものは手に入らなくなる。

 

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勝手な分析。

 

「いいものは手に入らなくなる。」

 

前々から思っていたのですが、

入らないは言い過ぎで、入りにくくなるだろう。。

 

陶芸家のように、自分で土をこねて、成型して、窯で焼き、完成させる。

 

完全に一人で完成させられるものは、長年関わり続けることによって、

少しずつ技術や感性が備わり

いいものが作られていくんだろうなと思う。

 

それでも、現代では土をゼロから探し出すというより

材料屋から製品化された粘土を買うんでしょう。

いい器を作る人ほど均一化された材料に自分なりの調合をすると思っていますが。

 

材料が取れなくなると、今の質、技術を担保できなくなる。

 

でも、一人で完成に持ってけるものは、いいものが広く伝わりそう。

 

 

代わって、着物業界のものはほとんど分業制で出来上がるもの。

 

糸を作る仕事、糸を染める仕事、白生地をつくる仕事、

紋様を織るためのプログラムを作る仕事、

そのプログラムを使って実際に織る仕事、

 

自分が知らない作業が多く行われていて、どれかが欠けると

できなくなってしまう。もしくは質が落ちてしまう。

 

以前、東京へ行った際に伺った江戸小紋のお話。

 

型紙は何千枚とあって、大昔に彫られた型紙が今も現役で使われていて。

 

型紙は消耗品。

擦り切れたらもうおしまい。

その頃の職人でなければ彫れなかった細かい江戸小紋の型紙は、

擦り切れたらもうおしまい、となるそうで。

 

 

手間ひまかけて作っていたものは、当時の当たり前だったんだろうけど。

 

機械やらコンピュータが入ってきて、できるだけ人手をかけずに

似たようなものを生み出すようになって。

 

でも、その似たようなものって何かが違って。

デジタルと違って、簡単にコピーはできない。

人の手、人のセンスで生み出されたもの。

 

昔は今よりも安くで良いものが手に入りやすかったんだろうなぁ。

 

もちろん、今も良いものづくりをしている所はある。

 

文化はお金を出して買っている人が繋げてる。

 

 

いつからか腫れ物に触れるように繊細になってしまったのでは。

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いつからか着物は、繊細に扱わないといけないものになってしまって、

それで、人が触れることも遠い日常になってしまっていったのではないか。

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<デザインのお仕事>美山オリジナル切手シートの制作

今まで関わってきた着物屋以外のお仕事紹介もしていこうと思いまして。

 

今回は、もうすぐ発売【2017年10月23日(月)】になる

美山オリジナル切手シートのテーマや文章、レイアウトなどを

協力させていただきました。というお知らせです。

 

www.post.japanpost.jp

 

美山で着物屋を始めたわけですが、こんなこともあるんですねぇ。

 

地域と郵便局とで制作するというのは全国初?の試みだったようで、

いろいろと難しかったけど、完成してよかったです。

 

最初は、写真やイラストを取り入れ切手を組み合わせたかったけど

地域の皆さんの投票で選ばれた写真が、切手に決まるということだったので、

いろいろ制約が生まれていきました。

 

その制約があるから美しいものが生まれると思っているので、

その中でどう持ってくの?を延々と考え続けた夏でした。

 

 

そしてまた、他では作ってないようなものにしたいという欲もでるわけで。。。

 

一般的に行政や企業がつくっているシートを検索して見まくりましたが、

「ただ写真が載っているだけ。」が多い。

◯◯周年記念事業、とか、◯◯市◯◯◯祭りなど。

 

しかしこちらも写真ばかりの切手シートになる。

イラストが1、2枚いけそうだったけど、逆にバランスわるいと感じて

オール写真の方が良い!となりまして。

 

 

じゃあ、どこで差別化するの?

 

写真だけの切手で。

ほんとはイラスト入れたいけど。

買いたくなる切手シートとは。

 

まず考えたのは当然、上部に大きく取られるエリア。

そこをおもしろくデザインしちゃえばいいじゃん。と思ったのです。

 

しかし、おもしろデザインにはせず、すばらしい写真がハマりました。

 

ちなみに完成形はこちらです。

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テーマを考える材料がほしくて、

 

 

「テーマを考える作業」プラス

「選ばれた美山の写真」

「媒体は<切手>」

 

というようなキーワードみたいなものを持って取り組んだわけです。

 

そこで<切手>をデザインするってなると、

ダジャレの要領でいつも考えるんですけど、

 

・はる。(切手を)

・送る。(封筒を/ハガキを/)

・集める。(記念切手を/コレクター)

・切手とは、切符手形の略。

などの切手に関する動詞を挙げていきまして。

 

お便り、便、送る、届ける、切手ってアナログ〜、

 

と、連想ゲームをして。

 

それと同時に美山の選ばれた写真をあげていくと、

なぜその写真を選んだのか、住民の思いを知っていくわけです。

 

誇りだったり、自然の残る美山の良さを皆に知って欲しいだったり、

創立143周年の美山小学校が存続することを願っているわけです。

 

そして400年以上、人が住み続けてのこってきた美山が今もある。

 

なるほどなぁ〜、今までは残そうって意志があったのかわからないけど

これからは残そうって思わないと地方は残らない可能性出てきたな。

・100年後って切手のようなアナログなものが残ってるんだろうか?

・切手は残っていたとしても、今の切手の使い方はされてないんじゃないか?

とか未来を想像したりして。

 

そんな思いをまとめていくと、

「届けよう、美山。」というテーマに辿り着きました。

 

・切手だから、お便りを書いて、貼って、「届けよう。」

・美山を100年先もちゃんと町として残したい、100年先へ美山を「届けよう。」

・美山を今を生きる県内外の人たちに「こんな町ですよ〜」と言って「届けよう。」

・この切手シートを使って、今の美山をあの人に「届けよう。」

 

出来上がったテーマがシンプルだったので、

人それぞれ捉え方によって、伝わり方が変わるおもしろさ。

 

上部の写真は美山上空へドローンを飛ばして撮った写真。

美山にドローンを操縦して写真や動画を撮る能力高い人がいるわけです。

しかも陶芸家でもある^^; お仕事の依頼はどうぞ下記へ。

https://www.facebook.com/dronestation.jp/

 

美山ってほんとに美しい山に囲まれてるんだなぁと感動しました。

 

テーマができて、届けようって言うなら、なぜその写真が選ばれたのか?

その意味を届けなきゃね。となりましたので、付属で切手写真の説明文を

載せたシートを作る話になり、そちらのレイアウト等も協力させていただきました。

 

それがこちら。

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長くなりましたので、これまで!

お付き合いありがとうございました。

ぜひ、買ってください。

 

、、、ものすごく作った側の思いが強すぎて、

買う側に立ってないものが出来たとも思いました。しかし、

これは組織で作り上げたもの。私一人でこんな大きな仕事はできない。

地域の皆さんと作るという制約があって、出来上がる。

そこで良いものを作るというのは難しいのだろうけど、

「俺たちが売りたいものができた、ありがとう!」

と言ってもらえたことは素直に嬉しかったです。

 

作り手には、伝えたい何かが、力が大きい。

ただいま西陣坐佐織の企画展を開催中。月曜まで。

 

9月にお会いしたばかりの佐竹さんに会う。

相変わらず元気で、出てくる言葉や会場で起こる事象が神がかる。

福の神のように、お客様を感動させたり、冗談を言って笑わせたり、

知識と経験と、今の私では対峙することのない様々な現場を、

戦いの場を生きぬいてきた、今もそうしてる、と。

70を迎えなお、若者になんぞ負けるかぃ、が伝わってくる。

 

エネルギーの総量が違う。と、度々感じてきたが、

 

作品を作り出すという「エネルギー」は、自分にはない。

作品を作り出したいと思ったことは何度もあるが、形にならない。

 

今回で確信したが、「エネルギー」のある人が作品を生み出す。

 

今まで何百と制作してきた人に備わっている、

もしくは制作する過程で、備わった「エネルギー」。

 

その「エネルギー」が、その人を通して、生み出した ”もの” に宿る。

 

そして、生み出された”もの” は、生み出した人と、繋がり続ける。

生み出して終わり、でなく、見えない糸で繋がり続ける。

 

 ”もの” は、お客様の元へ行く。

すると、生み出した人の「エネルギー」が送り込まれる、ような気がする。

 

「エネルギー」の総量が大きいから、

全国へ、たくさんの見えない糸を繋ぎ、送り続ける。

 

帯で例えると、「背中を押してくれる。」「一緒に頑張ろう。」

 

身につけて、自信を持って、着姿にうつる。

その姿を見る周りも幸せになる。

 

作品を生み出す人は、魅了する「エネルギー」が備わっている。

いや、なくてはならないんだと思う。

 

私も魅了された一人で、

 

今は、できるだけ多くの人にその「エネルギー」に触れて欲しいと願う。

 

今は当たり前に用意できる環境だとしても、

私の微力ではいつまでも続けられないのだ。

 

ただ 一度繋がると、

永遠に「エネルギー」は分けてもらえる。

 

消費されるモノと違う。ただ煌びやかなだけでない。

 

目に見えない大きな「エネルギー」まで頂いてほしい。